自閉スペクトラムの本人向け勉強会のテキストをもとに、ローナ・ウィング先生に丁寧な監修をいただき、本書は完成しました。
20年近い時間が経過しても、本書が臨床の場で多く活用していただいていることを受け、WHOの名称変更・我が国の法改正・著者自身の新たな臨床経験と矛盾のない内容にリニューアルしたのが、補注新装版です。
学童期から大学生・成人までのご本人やサポーターの皆さまのお役に立つことを願っています。
ウィング先生監修者の言葉より「本書はアスペルガー症候群をもつ中高生にとって(あるいはどんな年齢のおとなにとっても)良い手引きとなるだけでなく心の支えと慰めをも与えることでしょう」
トニー・アトウッド先生私信より(掲載許可済み)「アスペルガー症候群をもつ人やその家族にこの本をぜひお勧めしたいです」
知的な困難がない幼児期の自閉スペクトラム症の子どもたちはもっともわかりやすく自閉的特徴を示していると考えられます。
彼らについて学ぶことは、知的困難がある自閉スペクトラム症の子育て・保育にも、成人期の支援にも役立つことでしょう。
「本書は知的なレベルが境界・平均・平均以上のASDの子どもの親向けに書かれていますが、内容の多くは知的に低い〜極めて低い子どもにも当てはまります。また本書は専門家の必読書でもあります。本書によって専門家は親が直面している困難への理解を深めることができるでしょう。
…第3章の最後で、著者は親の感情とニーズに向き合っています。ここでは、親と家族全体に自閉症が与える影響について著者の共感と深い洞察が鮮明に示されています。(ローナ・ウィング先生、英語版前書きより)」